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教え子に不安をぬぐってもらう?

11月20日に佐久穂小中学校で人権研究会が行われた。

これはあくまでも学校の行事。

子どもたちは給食を食べてからすぐ下校。

一部の研究授業があるクラスだけのこって、

研究会が行われた。

 

ところが偶然というのはあるものだ。

この研究会の最後に、

講師を呼んでの講演会が行われたわけだが、

その講師が湯本晴彦氏。

山ノ内町の渋温泉で春蘭の宿さかえやを運営している。

以前のブログにも書いたが、

彼はそのさかえやで、

フリースクールをしながら就業支援をしている。

そしてその講師の娘が、

私が担任をした生徒の1人。

 

なんだかワクワクして、

その講演会にも参加させてもらった。

そしたら驚くことに、

その大学3年生の湯本氏の娘がいるではないか。

あれ?

って思いながら聞くと、

わざわざ東京から新幹線で佐久平駅まで、

佐久平駅から佐久穂小学校までタクシーで来たそうだ。

いやぁほんとひさしぶり。

 

その子とそのときしたお話は次回に譲るとして、

湯本氏の講演について。

湯本氏の講演内容は、

ざっくりいうと、

さかえやで行われている実践をもとに、

子どもたちにどのような観点から支援をしているかということ。

特に、その講話の重みがましたのは、

そのフリースクールに来ている子が同席していて、

直接、自分のこれまでの人生を語ってくれたことだった。

 

その子は、

小学校5・6年生につらい学校生活を送ったという。

その小学校5・6年生の担任について、

色々な辛かったこと、

ハンカチ・ティッシュの保持に異様にこだわったり、

やってはいけないことの理由を語ってくれなかったり、

グループをつくって学力の高い子に低い子の面倒を見させて

自分は職員室にもどってしまったり・・・

 

そしてそれによって、

クラスがどうなっていったのか、

自分がどう変わっていったのかを話してくれた。

クラスは次第に先生の様子をうかがいながら行動するようになり、

クラス全体で先生の機嫌を気にして、

学校生活をおくるようになったそうだ。

また、先生の機嫌が悪くならないように、

クラス全体で動いていたという。

だから先生の嫌うできない子に対し、

クラス全体でさげすんだり、いじめたりもあったという。

彼女自身も、そういった子に攻撃的になったりもしたらしい。

そして卒業式を迎えた日、

クラスのみんなが言った言葉が、

やっとおわる・・・だったそうだ。

 

ところがその終わったあとも、

彼女のつらい日々は続く。

他者と上手に対応できないとか、

大人を見ると怖くなってしまうとか・・・

そうして彼女は心を病んでいき、

5年間、家に引きこもることになる。

再び、彼女が社会にでるのは、

その湯本氏のさかえやだったというわけだ。

 

それはもう、

聞いているだけで、

教師としては苦しく痛い話であった。

だけど、そういった話はやはり、

できるだけ教師をやっている人に聞かせるべきだ。

自分はそうではないと他人事のような感想をいう人もいるだろう。

思い当たるところがあって、

自分の正当性をひたすら大声で訴える人もいるだろう。

その子の自己責任論へと転嫁して、

教師の責任をはぐらかす人もいるだろう。

私のように過去の自分が大丈夫だっただろうかと、

不安が募る人もいるだろう。

でも、やはりこういった話は聞かされるべきだ。

聞かなければ次の心の動きが出現しないではないか!

 

・・・さて・・・

私は教員時代にもしかしたらそう思われていたのかも?

と、激しく不安になったわけだが、

私は運がいいことに、

その話を聞いているとき、自分の座っている横に

教え子である湯本氏の娘がたまたまいた。

そしてその教え子が、懐かしい記憶とともに、

過去の私についてを良く言ってくれる・・・。

だから少し不安を拭えることができた。

幸運だった。

 

明日、11月全員協議会開催

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