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カンガウゴク人生?

前回の記事で、

佐久穂小・中学校で行われた人権教育研究会の

湯本氏による講演会のことを書いた。

今回はその娘さんの話。

 

彼女は私が担任をしたクラスの生徒だった。

とはいっても、

彼女自身は特殊技能を持って、

中1でドイツに留学してしまったので、

実際に担任らしいことをしたのは1年間だけ。

それでも私のことを先生と呼んでくれるし、

その中学校のクラスが自分のクラスだという思いは、

きっと誰よりも強いかも知れない。

 

確かにそういった印象というのは誰もが持っていると思う。

なつかしいなぁ、クラス会をやろう!

なんて思ったとき、

私は長い人生でどのクラスを、

真っ先に思い浮かべるだろうか・・・。

これを読んでいる人はどうだろうか?

きっと真っ先に思い浮かんだクラスが、

良くも悪くも、

自分の人生に大きな影響を与えた所属集団だった

と言えるのではないだろうか。

 

さて、その娘さん。

大学3年生で、

取得単位数と卒業単位数が同じであった私と違って、

単位取得も順調に進んでいて、時間的余裕があるようだ。

となると、次に考えるのは就職ということになる。

そこで本人は少し悩んでいたようだ。

 

働かなければ、食べては・・・つまりは生きてはいけない。

これは今の資本主義の世の中でなくとも、ほぼそのとおりだと思う。

ただ、気をつけなければならないのは、

働かなければ・・・という言葉の範囲。

食べていけるだけの手立てがあれば、

という広い意味にも取れるし、

企業などに就職しなければ・・・

という狭い意味にも取れる。

そしてきっと大学生ぐらいだと、

実際に世の中に出る機会が少ないこともあって、

狭い意味についつい捉えがちになる。

だからニートなんていう言葉が生まれてくる。

 

きっと大学生の多くが、

これは致し方ないのだろうが、

狭い人生の道をイメージしながら、

自分の選択を考えているのではないか?

ここで鈴木大裕氏の講演会で話されたことを思い出す。

ノーム・チョムスキー氏の言葉

民衆を受け身で従順にする賢い方法は、

議論の範囲を厳しく制限し、

その中で活気ある議論を奨励すること。

というもの。

 

これは、国家権力が民衆を統治することに関しての、

反語的な表現として書かれたものだと思うが、

ちょっと角度を変えてみると、

今の日本人はとってもまじめなゆえに、

自らがこの道に落ち込んでしまっているのではないかと思う。

大学生本人ももちろん、その親も、

幸せの価値を自ら狭めて、

その中で、「○○すべき」方向へと自分を追い込んでやしないか?

 

きっとその娘さんはそこに気づいているんじゃないかな?

なんて思った私は、

彼女に私の話をしてみた。

 

この歳になってから思う自分自身。

私はきっと人生で色々なことを、

実験的に・・・つまり経験論的に知りたい!

という欲求を満たすために生きている

と、最近とくに実感している。

世の中の仕組みをもっと直感的に知りたい。

人というものはどういうものかを知りたい。

そんな欲求を満たす手段を求めて、

ビジネスマンも塾の講師も学校の教員も、

政治家も投資家もYoutuberも・・・やっている。

まとめちゃうと実験的人生といえるかも知れないな。

 

そこでその娘さんに聞いてみた。

自分の人生ってこんな風っていうものある?

今思えば、実に難しい質問だ。

だが、彼女は言う。

感動し続ける人生でいたい・・・と。

彼女は私の聞き慣れない言葉も使う。

感が動く人生でありたい

・・・カンガウゴク?

漢字は上のであっているのかな?

それとも私の聞き間違えかな?

でも、いい言葉だ。

心の琴線に触れるということだろうと、

私は勝手に思ったわけだが、

数日前のブログにも書いたとおり

ここ数週間でもっとも強く、私が思ったことだ。

 

すばらしいことじゃないか!

就職をどうしようなんて考えるよりも、

私からすれば上位の思考だ。

いや、むしろそれが上位だからこそ、

下位の就職をどうしようという命題にも対応できる。

 

私は私の勝手な思い込みから彼女に自分の意見をいう。

それはきっと、

人がどういう仕組みで、どういう条件で、

感が動くかということを知りたいし実践したいんだろうね。

だったらそれが探求できる仕事をすればいい。

そしてその仕事が企業に見いだせるなら、

就職をすればいい。

自分で仕事としてなにかをしてみたいなら、

支援を受けながらでもやってみればいい。

結婚して子どもを生むことでそれが得られそうなら、

そういう選択肢だってある。

 

ただ、実験的人生を送ってきた私が言えることが、

ひとつだけある。

いろいろな挑戦をできるのは、

体力的にも精神的にもエネルギーが維持できる、

若いときだけだということ。

 

だから、

感動という1つのテーマをおいかける人生もあり!

いま現状そこにある何かを追えばいい。

自分の人生を充実させるには、

人生という時間はあまりに短すぎる!

でも、

大学生として残された1年半。

就職ということを考えるだけならば、

あまりに長すぎる!

私はそう思うわけだ。

 

ひさびさに直面する教え子に、

人生の先輩風をよそおってうんちくをたれてみた。

あらためて文章にすると恥ずかしいが、

よく考えたら、教員時代。

生活記録でもっと短い文章だったけど、

こんなこと中学生に伝えていたなぁ・・・なんて思い出す。

 

保護者や大人からは批判が飛ぶかも知れない。

偏った知識を押し付けるな!って。

でも安心してくれ。

あなたの、そして世の中の子どもは、

そんなに無能でヤワじゃない・・・

自分で考えて選択できる力を身に着けようと、

私たち以上にもがいているよ。

そして保護者のみなさんは、

自分の子どもがそういう力をつけてほしいと願って、

一生懸命サポートしてきたんだから。

 

本日、11月全員協議会開催

 

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