市町村単位の地方自治体における行政は、
市町村長をトップとした組織ということになる。
その中に、いくつかの独立した機能を持っている委員会があって、
1番しられているのが教育委員会と選挙管理委員会。
委員会ではないけれども委員としての監査委員も有名だ。
でも、今回はそれよりも知名度がちょっと低めの
農業委員会について。
農業委員会が設置される目的は、
農地等の利用の最適化の推進のため・・・
つまり農地利用の集約や遊休地発生の防止、新規参入の推進・・・
ぶっちゃけると日本の農業を土地制度として守ろう!
みたいなために、
農地法に基づく農地売買の許可を出したり、
農地転用をしようとする場合の意見をすること。
たとえば、
田んぼをつぶして家を建てたい!
って思ったとすると、
まず田んぼを宅地にしなければならない。
これを農地転用というわけだが、
これらに関わって、
意見を言ったり事務を行ったりするのが農業委員会。
農業委員会は市町村自治体に設置されることになっている。
全国1,741市町村のうち、1,698市町村が設置している。
設置しない場合もあるのか?
ということだが、
そもそも農地がない、もしくは少なすぎるところでは、
設置する意味もないので設置しないのは当然。
東京都の行政区などは、
設置していないところも多い。
じゃぁ、その農業委員会のメンバーはどうなっているのか?
農業委員の選出手順は、
市町村長が人を選んで案をつくる。
選び方は、公募もあるし、
区からの推薦や団体の推薦などもある。
それを市町村議会が同意を与えて、
のち市町村長が改めて任命するという形となる。
実は、2016年ぐらいまでは公職選挙法による公選制度をとっていた。
それが法律の改正によって今の形いなった。
今回の佐久穂町議会で同意された農業委員の選出について、
佐久穂町の場合は、16名が提示され、
賛成多数で承認された。
規則では委員の過半数が認定農業者等でなくてはならないのだが、
現実的にその数を確保するのが難しのだろう。
認定農業者等は規定により25%以上でもいいらしい。
農業委員会は、先に議会の同意をえた農業委員と、
農業推進委員によって構成されている。
農業推進委員というのは、
同じような仕事をするわけだが、
選出するのが農業委員会であるという点が異なる。
前回までは農業推進委員が6名選出されていた。
議会の同意が必要ということなわけだが、
これら一人ひとりについて、
農業委員に最適かどうかなど、当然ながら知る由もない。
まぁその点については、
国だろうが地方自治だろうが、
国会議員や地方の首長・議会議員を選挙にて投票するのも同様である。
その人の本質まで見抜ける人はそれほど多くあろうはずがない。
できるかぎり最悪の事態をさけるための行動はしようとは思うが、
それこそ信用を基盤として運営されるのが、
こういった政治の世界の本質なのだと改めて知る。
同時に、
自分自身が知識や経験を増やし、知恵を持ち、
ものごとを判断できるレベルをあげていかねばならず、
そういった個人の研鑽が要求されるシステムなんだと気づく。
致命的な失敗はもちろん絶対回避だが、
それ以外は信用を以って、
自分の責任において任せた上での失敗ならば、
それを受け入れ改善しながら対応していくほかない
と、教育者の立場から私は主張する。
実際、立場が関係なくとも、私はそれで構わないと思っている。
自分を高めること、
その上で人を信用して任せること、
任せた責任を負うという自覚を持つこと、
そして自分の失敗や任せた人の失敗について、
次のよい選択のための、あたりまえの経験とすること・・・。
そういう社会で私は子どもを育てたい。
6月定例会一般質問まであと5日
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