佐久穂町議会を傍聴していて違和感・・・。
それは、教育行政側から
教育長と教育委員長が出席していたこと。
教育長と教育委員長ってどっちが偉いの?とか、
教育長と教育委員長ってどこがどうちがうの?
という素朴な疑問が、一般の人なら思い浮かぶだろう。
もちろん私はその答えを知ってはいるが、ここはあえて知らぬふりで続筆。
行政には教育委員会という組織がある。
ほら、怒りを抑えられない保護者が「訴えてやる!」って。
訴えるって・・・。
教育委員会は長野県にもあるし、佐久穂町にもある。
教員の人事については、主に長野県教育委員会がやる。
学校の設備などについては佐久穂町教育委員会がやる。
おおざっぱにそんな感じ。
じゃぁ、さっきの一般的な質問の答えて・・・。
佐久穂町教育委員会の委員は、町長が議会の同意を得て任命する。
それでもって、教育委員の中から代表である教育委員長を選ぶ。
それから、教育委員長以外の教育委員の中から、
事務の責任者である教育長をさらに選ぶ。
つまり、組織の構成上、上の立場なのは教育委員長。
教育委員の事務などの実務を取り仕切るのが教育長。
ここで読むのをやめないで!
実はこれは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が、
2015年に改正される以前の話だから!
いろいろな社会問題を背景に、現在の、つまり改正後の法律では、
教育委員長は役職としてなくなって、
教育委員会の代表である教育長と役職にまとめられた。
つまり、今の教育委員会は教育長が代表ということになる。
で、この新しい制度の教育長はどうやって決まるのかというと、
町長が議会の同意を得て任命する。
教育委員の中で決めるのではなく、教育長を直接任命するである。
だから教育長は町長が信頼している人が任命されることになる。
再び疑問が沸いてきた人はすごい人だね。
そう、私の違和感っていうのはこれ。
佐久穂町議会で教育委員長と教育長が出席していたこと。
これはおそらく、移行期間のため。
2015年以前の法律で選ばれた教育委員の任期は4年。
つまり、その一部でもある教委委員長や教育長の任期も4年。
佐久穂町教育委員会に問い合わせたところ、
今の教育委員の任期が修了するのが
平成29年5月8日とのこと。
それまでは、教育委員長と教育長が存在する。
で、その任期が終了した後、おそらく現行の法律でいう教育長が
町長から任命されることになる。
また、改正後の法律のもとでは、
町長は総合教育会議を設置し大綱を策定する義務を負うらしい。
これは刮目すべし!
どんな人をどんな理念で任命するのか。
これは視線をそらしてはいけませぬな。
ところで、そうなるともうひとつ、ちょっとした心配が出てくる。
教育が政治に食われてしまうのではないかということだ。
教育は政治からある程度の独立性を持っていなければならない。
ドラマや漫画の世界なら、
町長が言うことを聞かない教育長の首を次から次へとすげ替え、
自分の思い通りにしていく、なんてことがありそうだ。
でも、現実的にはそうならないような配慮がされている。
実は、教育長は、というか教育委員は基本的に、
一度任命されると、任期終了まで、
心身の故障や義務違反がないかぎり
やめさせることはできないらしい。
だから町長は任命しても、簡単にやめさせられない。
しかも、教育長の任期は4年ではなく3年となった。
これは、町長の任期中に1度は、
教育長の人事ができるように配慮されたものらしい。
色々、考えて作られておりますな。
いずれにせよ、5月8日あたりで、
佐久穂町の教育長がおそらく新しい町長によって任命される。
それまでの動向を注視していきたい。
・・・ 町議会議員選挙の告示まであと26日 ・・・
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