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許可事項をする組織の未来は?

5月の臨時会のあと、視察研修特別委員会を開いた。

私は立候補をしてこの委員会の委員長となったわけだが、

それはこの視察研修特別委員会を、

なんとかして現状に合ったものに変えたかったからだ。

 

ちなみに以前の記事でお知らせしたとおり、

地方自治法のいうところの特別委員会の体をなしているが、

実際にはその設置を議会で議決された形跡も残っていないし、

何のために存在する委員会なのかも定義づけられてはいないようだ。

もしかしたら、書面が残っているのかもしれないが、

過去の議事録を見てもそれを見つけることができなかった。

 

委員は4人。

委員長と副委員長を含めての4人ということになっている。

まぁ、この時点で特別委員会としては人員不足を感じるところだ。

それでもこの委員会が続いてきたのは、

毎年1回、委員会ごとにいく視察の計画をすり合わせること

だけをやってきたからだ。

とはいえ、委員会ごととはいうものの、

実質は合同視察という形で、議員全員が宿泊で視察に行くのが通例だったようだ。

 

しかも、1年毎に県内1泊、県外2泊と交互に行われていたと聞く。

つまり年に1回、決まりきったように、

予算付されているから宿泊つきの視察に行っていたということになる。

ところがその慣例が、

このコロナ禍で相次いで中止になってしまった。

それが今おかれた現状である。

 

正直なところ、コロナ禍にならなかったとしても、

私は、この決まりきった視察というのに違和感を感じていた。

議員の知識や技能を強化することはもちろん必須だが、

あくまでも視察というのはそのひとつの方法に過ぎないのに、

それがさも当たり前の行事であるかのように扱われていることが、

これまた、私としては気に入らない。

ひどい言い方が許されるならば、

実務をしない旅行の幹事・・・とも捉えることができる。

手続きなどの実務は議会事務局がするのが通例になっていたからだ。

 

だからそんな視察研修特別委員会を、

議会として知識や技能の底上げができる委員会にしたい!

と思っているわけだ。

 

まず、現実的に考えられるのが、

視察を含め、研修全般を自ら計画し具現化する実働的委員会にすること。

特に、タブレットを利用して、

少しづつでも今の世の中に対応できるように、

DX化を進めようとしてきている佐久穂町議会で、

そのたぐいの研修は、必要な人には必要である。

 

できる人は自分でやって、そうでない人はがんばれ!

なんて、

それでは議会内の優劣をつけるだけ。

議会内の各議員の技能的優劣など、ちっちゃいことはどーでもいい。

全員が一定の知識とスキルを持ってこそ、

議会全体の成長が生まれ、活性化すると考えている。

それが現状でできるのは視察研修特別委員会だけだと思っている。

 

いやいや、別の委員会でもいいでしょ?

何ならボランティアで集まってやれば・・・

と、主張する人も当然いる。

性善説であるし、ついぞ肯定したくなってしまうが、

私が今まで生きてきて、

ボランティアでやればいい・・・と言っている人が、

実際にボランティアで精力的に活動しているところを、

あまり見たことがない。

一般的に強固にそう主張する人は、

やりたくない・・・という思いを性善説でカバーしているに過ぎないと思う。

ちょっと、酷な表現だったか・・・。

 

ただ、ここにいわゆる民主主義における議会の脆弱性が存在する。

議会というのは議論するところだ!

と、その本質を語る人はあとを絶たない。

ところが、議論して結論を出すところまで行かない・・・とか、

結論を出しても、それを実行する能力がない・・・とか、

実行することに関しては他の機関に任せてしまう・・・とか、

任せてしまうことで責任を回避する傾向にある・・・とか。

その本質を語ることで、

いや、本質を語るだけにとどまるので、

まわりに冷ややかな目で見られるし、

しかもそれに気が付かないということまである。

それがいまの議会の1つの大きな問題点であろうと思う。

そしてこれは、私も同じ穴のなんとかかもしれない。

 

話がちょっと外れてしまったが、

今の議会というのは、

実は実働部隊となりうるものがないのが現状なのだ。

審議するのが仕事の本質の1つだから、

当然、審議はするわけだが、

逆に言うと委員会が審議するための機能しか持っていない。

だから、地方議会は住民に見せることができる具体的な行動が取れないと、

私は強く思っている。

そして、佐久穂町議会において、その可能性を秘めているのが、

広報編集特別委員会と視察研修特別委員会だと思うのだ。

 

前フリが長すぎであるが、

という思いで、今回の、

視察研修特別委員会で、研修などもひろく企画運営していこう!

と委員に提案をした。

どうなったと思う?

 

これに対し、1人の委員から、

それは視察研修特別委員会の仕事ではない!

と、完全否定されてのだ。

そう、たしかに手続き論としては、

議会全体からその仕事をまかされていないので、

余分なことをしてはいけない・・・ということになるわけだ。

理屈は通っている。

でも、そもそも請け負う仕事を定義づけさえされていない。

あくまでもその議員は視察のすり合わせのためだけに、

この視察研修特別委員会が存在するという考えなのだ。

この考えが間違っているとは言わない。

ただ、これがいわゆる議会の脆弱性を表した事例なのだと思う。

 

結局、委員会はそこで話が進められなくなってしまって、

止まってしまった。

なんとか、

全員協議会でその方向が承認されればよし。

という方向性まで確認はできたが・・・。

 

物事にルールを決めるとき、大きく分けて2つの方法がある。

ルールによってすべてをコントロールすることができるわけではない

という前提で、

ひとつは、禁止事項を中心に組み立てる場合、

もうひとつは、許可事項を中心に組み立てる場合だ。

あくまでも一般論だが、

日本でのルールは後者のパターンや意識を重要視することが多い。

今回のその議員の考え方もそうだ。

だから否定すべきものではない。

実際に、安定を保つためにはそのほうが有効な場合が多い。

 

で、私はあえて問う。

その先に確かに未来はあるのか?

と。

今という時勢はそういう時なのか?

と。

まぁ、どちらにせよ、

私は視察研修特別委員会を佐久穂町議会の実働部隊とする目標を失ってはいない。

だから、議員全員の・・・多数決になる可能性があるが、

承認を得た上で、議会議員の底上げをサポートする、

自主自立の委員会活動をしていく。

 

佐久穂町被害調査報告会まであと6日

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