10月7日に佐久水道企業団議会の視察研修会に参加した話。
前記事の続き。
前記事では午前中の研修である、
水みらい小諸についてと、
佐久水道企業団の舎内視察についてのピックアップだった。
午後は、浅麓水道企業団にお願いしての水源地の視察。
新滝水源地・西池尻水源地・西区調整池・追分調整池と
佐久水道企業団の谷地沢水源地にいき、
見学しながら説明を受けた。
それぞれについて豆知識程度に紹介。
新滝水源地。
水量が豊富だが水の硬度が230と高く、
しかももともと炭酸水という難しい水。
さすがに活火山浅間山のふもとから出る水だけある。
硬度については現状、どうすることもできないが、
それでも遊離炭酸曝気処理棟で炭酸を抜いて、
上水道の水として利用している。
遊離炭酸曝気処理とは難しい名前だが、
水を激しく叩きつけることで炭酸を抜いているというもの。
ようするに、炭酸ジュースを降ってブシューって、
炭酸を抜くのと基本的には同じ仕組み。
西池尻水源地。
新滝水源地と同じ標高の1,150mで、
しかも新滝水源とほとんど離れていない場所にある。
そんな近くにあるのに、
炭酸はないし、水の硬度についても60程度しかない。
自然って不思議!
って思わざるをえない。
沢が違うだけでこんなに違うものかと不思議に思う。
西区調整池。
ここの地下タンクには3,500㎥の水がキープされている。
人が1日に使う水の量を考えても、
20万人が10日間過ごせる水の量を、
ここ1つで溜めている。
ライフラインのもっとも重要な水について、
災害時のことも考えてということらしいが、
こういった地道な危機管理が大切なのだと思った。
いざというときにありがたい準備だが、
使う機会ができる限りこないことを願うという、
ちょっとしたジレンマを含んでいる。
が、
使う機会がない危機管理こそベストなのだ!
という根本的なことを忘れてはならない。
追分調整池。
ここでは最近、水を利用しての、
マイクロ水力発電を始めたそうだ。
年間の発電量は、一般家庭55件分の電気量におよぶ。
二酸化炭素の削減効果は91tとなっている。
問題は小さい規模の水力発電のコストパフォーマンスがどうか?
ということだが、
そのあたりはダイキン工業のバックアップもあって、
採算の面ではなんとか不利益にはならなそうだ。
谷地沢水源地。
ここは佐久水道企業団が持っている水源地。
水源地は、よく国有林の中にあったりする。
ここもその1つで、
佐久水道企業団は以前にこの土地を水源地として購入したという。
最近では、出る水量がかなり減ってきてしまっていたり、
地域の住民からの景観の要望などがあったりと、
なかなか悩ましいらしい水源地らしい。
水について、
特に水源地について学習する機会は、
大人になるとなかなかない。
しかしながら、実はこういった学習は、
大人にむけてほどその効果は大きい気がする。
水の確保というのは、どうしても権利のように、
当たり前に生まれつき持っているものだと思ってしまう。
人は、当たり前だと思っている権利にほど、
その真偽を疑わないし、
むしろその権利に不自由が生じると烈火の如く怒る。
現在の水道水の金額がはたしてその価値に見合ったものかどうか?
あらためて考えることができる大人にほど、
こういう機会を広めていければと思う。
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