11月2日、佐久穂町の文化祭の企画で、
映画「大日向村」を見てきた。
私が見たのは11月2日の午後だったが、
以前、つい最近、一回放映したときも、
今回、午前中も満席という盛況ぶり。
さて、映画「大日向村」とは?
昭和15年10月に封切りされた・・・
私は昭和46年生まれだから-36歳のころ。
東京発声・東宝映画・前進座提携。
内容は和田傅氏の小説「大日向村」、
それをもとにした前進座の演劇「大日向村」を映画化。
内容は、
人口が増えすぎて、
貧しさに拍車がかかる大日向村を救うため、
浅川氏が村長に就任したのをきっかけに、
産業組合専務である堀川氏と二人三脚で、
満州への移民・分村を成功させるというもの。
最後は、体が弱い病弱な女性が、
恋人も満州に行ってしまって、
しかも自分がいるから家族が満州にいけなくて、
結局、自分で命を絶つ・・・
で、浅川村長がその行為に敬意を表して、
「魂は満州に向かった!」
というようなことを演説する。
と、こんな感じ。
ようするに、
満州移民・開拓を賛美するような映画。
昭和15年・・・1940年10月といえば、
1931年に満州事変、
1932年に満州国建国、
1937年に盧溝橋事件、
1940年10月に大政翼賛会発足、
のころ。
当然ながら、満州移民・開拓を国家が推奨している時期で、
大日向村はそのモデルケースにもなっていたようだから、
移民先でもまぁ優遇されていると想像できる。
実際に大日向村の村民たちが移民したのは、
昭和12年から昭和14年までぐらいまで。
つまり、映画の内容はここまで。
その後のことは当然ながら映画の内容にはない。
その後をざっと・・・
昭和16年には満州大日向村ができる。
知っての通り昭和20年に敗戦。
そこから帰国を始める。
昭和21年9月ぐらいに帰郷。
とはいっても、分村してしまっているので・・・
昭和22年浅間山麓に入植。
これが軽井沢町の大日向。
もちろん、
この映画だけでは不十分だろうが、
この映画を含め、
前後の学習をからめると、
とても重要な歴史的資料と位置づけられる。
ただ、映画なので当然フィルムであるし、
デジタル化や放映権の細々としたことには、
きっと、
まだお金と時間と手間がかかるような気がする。
ただ、話には聞いていた大日向村の満蒙開拓団。
生きた資料を直接見ることができて、
とても感慨深い1日となったのは確かだ。
ぜひ、放映という形の企画は、
頻繁にというわけには行かないだろうが、
続けて欲しい!
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