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安心は安全を担保しうるか?

6月28日の19:00から、

佐久穂町役場の3階会議室で、

佐久穂町防犯協会の総会が開催された。

私は、佐久穂町議会の充て職としての、

佐久穂町青少年育成協議会の会長として出席した。

 

あらためて座席表を見てみると、

防犯に関わる方が出席しているわけだが、

いろいろな団体や役職があるものだと思う。

まぁ、そうはいっても、

青少年育成協議会そのものこそ、そう思われる筆頭かもしれないが・・・。

 

防犯協会は、今までの通例として、

会長が町長、

副会長に公民館長と防犯指導員会長。

監事に交通安全協会長と、

民生児童委員協議会長が就任することになっている。

これをみても多様性を思わずにはいられない。

 

さて、なんらかの総会に出席したことのある人は、

総会・・・といえばイメージできると思うが、

今回の総会も多分にもれず同じように行われた。

ただ、防犯協会の総会は、

総会後に警察署による講話がつくので、

なかなか興味深い。

 

今回は、紆余曲折の末、

大日向警察館駐在所の有賀氏から講話をいただいた。

佐久穂町のオレオレ詐欺の被害件数は0件。

とはいえ、

佐久穂町でも被害はなかったものの1件の未遂はあったようだ。

最近では、オレオレ詐欺の電話がかかってきた場合、

速やかに現金などをだましとるために、

犯罪グループの誰かが、町内にすでに来ていることも多いという。

とにかく、電話に対する対策や工夫が、

詐欺事件を防ぐ、

もっとも手軽な方法の1つであると説明してくれた。

 

ちなみに、佐久穂町では、

留守番録音機能付きの電話機の購入に補助がでる。

もちろん防犯の観点からの補助である。

もし、電話機の買い替えを検討している方がいたら、

問い合わせてみることをおすすめする。

 

さて、その講話の後に質問などの時間がとられた。

私は・・・というか私だけだったので、

むしろ申し訳なかった気がするが・・・

1つの質問と1つの要望をさせてもらった。

 

質問は、

警察をどう警察と信じたらいいか・・・

つまり、子どもしか家にいないときに、

警察を名乗る人が訪問してきた場合、

子どもにどのような対応を取らせればよいか?

ということだ。

 

警察を始めとして、信用度の高い地位をかたっての

犯罪は今に限らず昔から大小に関わらずある。

警察以外にも役場や税務署・消防署・水道局・ガス会社など。

こういうとき、

真面目で立派な子どもほど、ちゃんと応対しようとするし、

おそらくそうできるように教育されているはず。

だからこそ、怖い話である。

 

そこで、警察には加えてお願いしておいた。

警察であるということを周知できるような、

たとえば、

子どもたちが警察手帳を実際に見れる機会をつくるなどの、

子どもへの啓発活動の強化。

そして、実際に訪問してそのような状況になったとき、

訪問した警察の方から積極的に、

ドア越し、インターフォン越しに、

ドアを開けなくても構わないという、

子どもへの優しい声がけをしてほしい・・・と。

 

もうひとつの大きな要望は、

詐欺の手口に関する啓発の機会を増やすこと・・・

特に、コロナ禍とGIGAスクール構想で急激に進んだ、

ICT化による詐欺などに対応するための啓発。

 

インターネット端末の所持が

低年齢層はもちろん、高年齢層にまで広がってきた。

今の60歳代といえば、結構な割合でスマートフォンを持っていると思う。

勘違いしてはいけないのが、

10年後、その60歳代は70歳代となり、

しかも、高齢になったからと言ってスマートフォンを手放すことなど、

決してありはしないこと。

つまり10年後の70歳代は、

ほとんどがスマートフォン所持者であるという近い未来の現実だ。

つまり、このICT化は時間とともに避けられない状況になるわけだ。

 

こんな中、

今、コンビニエンスストアなどで当たり前に売っている、

ギフトカードを利用した詐欺が少なからず出ている。

詐欺ならまだいいが、

恐喝などにも上手に利用されているのではないだろうか。

 

ところが、そのギフトカード・・・

おそらく購入したことがある60歳代以上の人・・・

特にこんな田舎町ではほとんどいないのでは?

そんな中で、このカードを利用した犯罪は、

ICT化で広がった60歳代に暗い影を落とす可能性がある。

 

そんなことないって・・・と、

思われる方もいるかもしれないが、

そのギフトカードの仕組みをしらなければ、

いや、知らないがゆえに

詐欺グループの指示通り対応してしまう可能性が高くなる。

使ったこともないものに関しては、

真面目な人であればあるほど、

しっかりと指示通りにやり通して学習しようとするものだ。

・・・結果、それが犯罪を成立させてしまうことになるわけだが・・・。

 

だから、

このあたりについての、子ども向けまたは高齢者向けの、

啓発活動を情報リテラシーの中に組み込んで、

警察でなくとも対応していってほしいということをお願いしたわけだ。

 

自分の専門ということもあって、

さらに子どもに関して絞っていうと、

どうも教育という分野は、世間のすこしダーティな部分、

たとえばお金もうけとか性とか暴力的なものやグロテスクなものについては、

できる限り触れさせないとう方針で対応しがちだ。

それが、大人ができることであると・・・

ついつい自己満足に陥りがちになる。

 

その行為自体は間違ってはいないと思うが、

むしろ私は、その問題や仕組みの本質に触れることや、

知識として理解することを通して、

自己防衛力を身につけることこそ大事だと思っている。

 

大人たちは、

子どもたちの持つスマートフォンやタブレット・・・

フィルタリングをすれば、

犯罪に巻き込まれないとホンキで思っているのだろうか?

フィルタリングは手段であって、

根本的な防衛力というのはそこからは育成されないし、

育成されなければ、

そのシステム下で上手に人をだます輩というのは湧いて出てくるはずだ。

 

しかも、フィルタリングという手法をとったことで、

子どもたちを守るべき大人たちは、

どこか安心しきって、

自分たち大人も不断の学習をおろそかにしてしまうのではないか?

 

町長が総会の冒頭のあいさつで言っていた。

安心安全というが、それらは相反する側面もあると・・・。

つまり、安心してしまえば、

安全を維持しようとする意識が薄れていって、

それはすなわち安全の危機の発動要因になりうるということだ。

全くそのとおりだと思う。

 

本日、防犯協会総会開催

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