いよいよ修了式を含めてあと2回となった
佐久地域保健福祉大学に参加してきた。
今回は第7回。
次回3月8日の第8回で第29期の佐久地域保健福祉大学は終了。
残念ながら、私は佐久穂町議会の3月定例会の一般質問の日なので欠席。
今回はクリエイティブグリーン代表の武田巳智子氏の講演
「命を生み、命を育むたべもの」と、
佐久総合病院地域保険管理科師長の中澤あけみ氏の講演
「100歳まで農作業で達者が一番」。
この農業に関する2つの講義が中心だった。
先に言っておくと、
私はたぶん皆さんのように自然はすばらしい・・・
と、無条件で思っていない。
理由はいくつかあるが・・・
例えば、自然由来の飲み物と科学的につくられた飲み物があったとする。
どちらが体によいか?
多くの人は自然由来というに違いない。
で?
その根拠は?
自然由来だと安全安心という根拠は、実はあまりないのでは?
長い間、人間が自分たちを実験台にして使用してきたという、
経験則としての安全安心はあるかもしれない。
だけど、科学的な飲み物のほうが、
少なくとも自然由来のものよりも理解不能な部分が少ない。
それこそ、自然由来の飲み物は何が入っているか実はわからない。
そもそも、自然・・・という表現が都合よく独り歩きしている気がする。
自然であることが素晴らしいという思いから、
どうやら人は盲目になっていると思われる。
そもそも我々が自然と思っているものは、
自然ではなく、
人の手による擬似的な自然に似たようなものであるのでは?
農村の景色は自然があふれている・・・というのは、
実は間違いで、自然には農村は存在しないわけだから、
それはどこまで行っても動植物が多く見られる農村の風景でしかない。
ちょっと極論すぎる気もするので、
話を少し戻して考え直す。
今日の講演は、ともに農業にかかわるものであった。
佐久地域保健福祉大学自体が農村を大事にするという基本理念があるから、
それは当然の帰結であるといえる。
ただ、先に言ったように、
無条件でそう思うつもりはサラサラない。
現在の世の中は・・・特に日本という国の現状は、
経済的な価値観が無条件で幅をきかせている。
つまり、貨幣に換算して、
利益のあることか、損失をもたらすものか?
利益は多いか少ないか?
などの価値判断がまずある。
農業の世界だって、
たくさんの白菜が畑にあるのに、
気候的にやられてしまったから出荷できる状態ではない、
と言って破棄してしまうことがある。
それが食べれるかどうかということではなく、
販売に耐えうるものかどうか・・・で判断されるてしまうのである。
重要なのは農業であるかどうか?ではなく、
経済的な価値が無条件で受け入れられ、
よし悪しが決められてしまっているということだ。
だから、農業をしよう!というとき、
農業がそのものが素晴らしいというわけではなく、
そういった経済的な価値観以外の価値観を体感するために、
つまり、別の価値観の存在に気づいて自分のものとするために、
その方法論の選択の1つとして、
農業というものを行うということだと思った方がいい。
だから、常に念頭に置かなければならないのは、
経済的価値観以外の価値観に触れるということ。
経済的な価値観に支配されていれば、
別のものの見方、つまり、他の価値観を見逃してしまうということ。
ただ、勘違いしてはいけないのが、
経済価値観が悪であるから、
それと逆の位置にある価値観が善であると
無条件に決めつけて信じてはいけない。
先の話も同様。
自然が素晴らしい!という価値観を無条件で善としてしまうがために、
科学的なものを無条件で悪とすることが問題だということ。
そもそも自然状態が素晴らしいなら、
インフルエンザにかかったとしても、
自然治癒を目指すべきだし、仮にそれによって死が訪れたとしても、
それは自然状態だから仕方がないし、そうあるべきだ!
ということになる・・・。
とてもじゃないけど私には無理だ。
日本人はどうしても集団的意識に洗脳されやすい傾向があるように思う。
△△がダメだ!
というシュプレヒコールは、
まるで自分が正義になったような気がして、
心地よく自分に入ってきて、
しかもそれが自分のオリジナルの意見かのように錯覚する。
だから集団意識として、多くの人に浸透する。
そのあと、人は個人の思考を他人に委託して、
いや、本人は委託しているつもりは全く無いのかもしれないが、
○○がよい!と逆側にある価値観を絶対的に思ってしまうようになる。
話が抽象的になりすぎた。
ようするに、今回の佐久地域保健福祉大学の講演内容は、
農作業を通して、
別の価値観や今まで気が付かなかった自分のあり方を
見つけるのはいかがですか?
食に対する新しい見方も手に入れるだろうし、
運動や健康に対する新しい発見もあるだろう。
だから、農作業をやってみましょう。
せっかく農村にいるんだから!
ということなんだろうと、私は勝手に思っている。
3月定例会まであと9日
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