今50歳。
学習塾で指導をし始めたのは22歳ぐらいだったか・・・。
この約30年間で、
様々な学習内容の変化を見てきた。
今回はその中でも特に数学に関して。
数学といえば、
学習内容がもっとも変化しにくい教科
という認識がある。
好きな人も嫌いな人もいるかと思うが、
基本的な平面図形の概念である平面幾何学は、
日本で言うところの弥生時代にはすでに、
ある程度の形はできあがっていた。
平面幾何学をユークリッド幾何と呼ぶのは、
ギリシャの哲学者であるユークリッドの名前に由来する。
この人が活躍したのが紀元前3世紀ごろ。
かように、数学というのは・・・
特に中学生までに学習する基礎的な部分は、
昔から変化をあまりしていない。
にもかかわらず、ここ30年の間に、
その学習に少しの変化が見られるようになったと感じる。
それが、資料の整理。
つまり、多くの数字としてのデータを取り扱うための、
基礎的な知識を習得するというもの。
もちろん以前からその単元はあったが、
少し軽視されている感が、
少なくとも私の中にはあった。
それが高校入試の論述問題が増える傾向により、
また、ビッグデータやAIのディープラーニングの発展により、
随分と注目されるようになってきた。
中学生で学習する資料の整理に出てくる
重要な語句を少し羅列してみよう。
どの程度、ご存知だろうか?
範囲、代表値、平均値、中央値、最頻値、
階級、階級値、階級の幅、
度数分布表、ヒストグラム、度数分布多角形、
四分位数、第一四分位数~第三四分位数、箱ひげ図、
全数調査、標本調査、母集団、標本など。
特殊な事情にある人を除いて、
すべての言葉の意味を理解している人は、
きっと少ないのではないかと思う。
だが、これは中学校までの数学における基礎知識。
そんなのを知らなくても生きていけるのは百も承知で、
とはいっても無視できないのは、
今後の若者たちはこういったことを知識として、
身につけて社会に出てくる・・・ということだ。
まぁ学校で学習した内容を全部覚えているわけではないが。
個人的には基本と基礎とは全く別物であると考えるが、
それはそれとして、
世代間の学習の基礎が、
時代の流れとともに、
変更、拡大縮小、焦点移動などが激しく起こっている。
中には、かつて真だったものが今では偽というものさえある。
それは今当たり前のように語られている基礎知識も同様で、
数年後にはそれは偽となりうる可能性もゼロではない。
すべからく情報というのは、
基礎知識ですらその情報の一部であると考えられるが、
なんらかの意志のベクトルがかかっているものである。
そう考えたとき、私は、
懐疑主義になるところまでいかなくても、
懐疑的な視点というのはなくしてはならないと思う。
佐久平環境衛生組合議会定例会まであと4日
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