8月25日に、
佐久穂町茂来館のメリアホールにて、
佐久地域町村会主催の
佐久地域問題研修会が行われた。
講師は、
早稲田大学名誉教授の宮口侗迪氏。
みやぐちとしみち氏と読むのだが、なかなか珍しい字だ。
講演内容は、
過疎新法の意義と農山村の地域づくり。
まず、過疎法が制定されてからの、
歴史的な流れについて説明があり、
過疎法の理念・・・インフラ整備の補填など・・・が、
次第にソフト事業が増加するなど、少しずつ変化していき、
過疎新法では、
過疎地域特有の価値の見直しを入れることになったとのこと。
宮口氏の主眼はまさにここにあって、
過疎問題というのは、
人口減少を防ぐことを主眼に置くべきではなく、
新しい価値の創出、もしくは今までのある価値の見直しを、
その主眼に置くべきだ・・・
という風に、少なくとも私は理解した。
私の私感は次の記事に譲るとして、
宮口氏の話は、その主眼らしく、
いわゆる過疎地域と呼ばれる地域の美しい風景や、
棚田・段々畑などの自然を上手に利用してきた文化・・・
そういった紹介を中心にされていた。
そして、それらは海外の人たちほど、
高い評価をしているといういくつかの事例も話してくれた。
社会学者マックス・ウェーバーによれば、
宗教改革者であるカルバンが、
キリスト教と資本主義の整合性をつけて以来、
そろそろ500年が経過する。
いわゆる資本主義という貨幣を価値の基準にすえながらも、
貨幣が貨幣を生み出す、
つまり基準が基準を変化させる不思議な仕組みは、
そろそろ行き詰まりを見せている気がする。
その小さなほころびのひとつが、
過疎問題に対する対処法なのではないか?
と正直、思わされる機会であった。
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