4回目の記事となる。
次男と三男の夏休みの宿題のための、
海津市歴史資料館の見学記。
最後の4回目は輪中内の生活に触れてみたい。
まず、輪中の排水については大きな課題だということは、
今までの記事のいたるところに書いた。
なにせ川の水面よりも低いところにあるわけだから、
水が溜まりやすいのは当然。
ここでもっとも問題となるのが米作りだ。
とにかく水が溜まりすぎてしまうので、
むしろ水の中に浅瀬を作って田んぼとするしかない。
こんな感じで・・・。
ということは稲が植わっているところ以外は、
水路となっているわけだ。
だから田んぼまわりの移動は小舟となっている。
機会による排水がすすんだ現在では、
こんな感じになっている。
昔のこうした田んぼを堀田ほりたという。
で、これを今の子どもたちに伝えるために、
海津市歴史資料館の庭には、堀田が保存されている。
話は少し変わるが、
我田引水という言葉がある。
自分の田んぼに勝手に水を引いてくる・・・
そういうわがままな様子を表した言葉だが、
農業の集団性がそれを許さないという社会背景を
よく反映した言葉であると思う。
ひるがえって輪中では、水はむしろいらないぐらいの勢い。
当然ながら我田引水なんて言葉は実感がないに違いない。
だが、一方でこんなものもあるのだ。
だから、こういった見学はおもしろい!
これは定杭といって、堤防の高さを決めた棒のことをいう。
つまり、自分のところだけ堤防を高くすることを戒める基準である。
自分のところに勝手に水をひくのはどうでもいいが、
堤防を人より高くするのはいかん!ということだ。
こういった、人の生活に根ざした細かな心の動き。
教育と社会と政治に関わるものとしては、
人の欲や願いが垣間見えて、とても興味深い。
9月定例会開会まであと7日
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